バンク・オブ・アメリカ(NYSE: BAC)は、2024年第3四半期の決算を発表し、純利益69億ドル、1株当たり0.81ドルを記録した。総収益は253億ドルで前年同期比178百万ドル増加した。収益の増加は、資産運用手数料や投資銀行業務の堅調な成長、セールス&トレーディング部門の好調なパフォーマンスによるものだと発表している。
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コンシューマーバンキング部門
コンシューマーバンキング部門では、純利益27億ドル、収益104億ドルを記録した。収益は前年同期比1%減少したが、これは主に純利息収入(NII)の低下によるものだ。一方で、クレジットカード収入の増加が一部を相殺した。平均預金残高は9380億ドルで前年同期比4%減少したが、パンデミック前の水準(2019年第4四半期)からは30%増加している。平均貸出残高は3,138億ドルと前年同期比1%増加した。クレジット/デビットカードの総支出は2,320億ドルで3%増加。新規消費者チェック口座は約36万口座増加し、記録的な成長を示した。
グローバル・ウェルス・アンド・インベストメント・マネジメント部門
グローバル・ウェルス・アンド・インベストメント・マネジメント部門では、純利益11億ドル、収益58億ドルを記録。収益は前年同期比8%増加し、資産運用手数料の14%増加とAUM(運用資産)の21億ドル増加が寄与した。クライアント残高は4.2兆ドルで前年同期比18%増加。メリルとプライベートバンクを通じて約5,500の新規関係が構築された。
グローバル・バンキング部門
グローバル・バンキング部門では、純利益19億ドル、収益58億ドルを記録。収益は前年同期比6%減少し、主に純利息収入の低下が原因だ。投資銀行手数料は14億ドルで前年同期比18%増加し、投資銀行手数料ランキングでは第3位を維持した。平均預金残高は5,500億ドルで9%増加し、中小企業向けの平均貸出残高は5%増加した。
グローバル・マーケッツ部門
グローバル・マーケッツ部門では、純利益15億ドル、収益56億ドルを記録。収益は前年同期比14%増加し、セールス&トレーディング収益の12%増加が主な要因だ。固定収入、通貨、商品(FICC)の収益は29億ドルで8%増加し、エクイティズの収益は20億ドルで18%増加した。営業キャッシュフローは140億ドルで純利益の2.2倍となり、資金繰りは堅調。デジタル取引の損失日はゼロだった。
その他の部門
その他の部門では、純損失2億9500万ドルを計上。主な原因は、ビザ社の訴訟関連エスクロア口座の増加によるものだ。非利息費用は2億ドルで前年同期比減少し、液化事業に関連するコスト削減が貢献した。
バランスシートと資本状況
バランスシートは堅調で、平均預金残高は1.92兆ドルで前年同期比2%増加。平均貸出残高は1.06兆ドルで1%増加。長期債務は2,969億ドルで前年同期比増加したが、流動性源は9470億ドルと強固な水準を維持。コモンエクイティ・ティア1(CET1)資本比率は11.8%で、新規規制最低基準を112ベーシスポイント上回っている。株主への還元として、56億ドルを配当金および自社株買いに充てた。1株当たりの簿価は35.37ドルで前年同期比8%増加し、実質簿価は26.257ドルで10%増加した。
信用品質
信用品質では、クレジットロスの引当金は15.42億ドルで前年同期比34百万ドル増加。純チャージオフは15.34億ドルで前年同期比ほぼ横ばい。非パフォーマンスローンとリースは56.29億ドルで前年同期比0.53%に達した。貸出およびリースの引当金比率は1.24%と堅調に推移。
CEOおよびCFOのコメント
CEOブライアン・モイニハン氏は、「堅調な収益を達成し、平均貸出の増加と連続5四半期の預金成長を実現した。NIIの増加とともに、投資銀行および資産運用手数料の二桁成長が収益を押し上げた。引き続きビジネスへの投資を続け、あらゆる環境下で企業を前進させている」と述べた。
CFOアラステア・ボースウィック氏は、「チームの努力により、クライアントの成長を支援し、バランスシートの改善を実現した。流動性は強固で、資本基盤は新規規制要件を上回っており、56億ドルを株主に還元できた。多様なビジネスモデルが強みとなり、既存のクライアント関係を深め、新規関係を構築している」とコメントした。
結論
バンク・オブ・アメリカは、2024年第3四半期において堅調な業績を維持し、収益と純利益の両面で前年同期比の成長を遂げた。特に、投資銀行および資産運用部門の強力なパフォーマンスが収益増加を牽引し、全体としてバランスシートも堅固な状態を保っている。デジタル化の推進やクライアントサービスの強化が今後の成長基盤として期待されるとしている。