10月25日Vertivホールディングスは2024年第3四半期の決算発表を行なった。同社はデータセンター、通信ネットワーク、商業および産業環境向けのミッションクリティカルなデジタルインフラ技術とライフサイクルサービスを提供している。
売上高の増加
2024年第3四半期の純売上高は20億7350万ドルで、前年同期の17億426万ドルから19.0%増加。製品売上は16億6300万ドルに拡大し、サービスおよびスペア部門も4億1980万ドルに増加。通算9ヶ月では売上高が56億6540万ドルとなり、前年同期比で13.4%増。
利益の改善
第3四半期の純利益は1億7660万ドルで、前年同期の9410万ドルから87.7%増加。営業利益も3億7160万ドルから2億509万ドルへと大幅改善。通算9ヶ月の純利益は34億8800万ドルで、前年同期比53.3%増。
セグメント別業績
アメリカ地域の売上高は11.99億ドルから10.03億ドルに増加し、営業利益も3.03億ドルから2.07億ドルへ拡大。アジア太平洋地域では売上高が4.32億ドルから3.89億ドルに増加したものの、営業利益は44.1百万ドルから49.7百万ドルに減少。EMEA地域では売上高が4.43億ドルから3.51億ドルへ26.1%増加し、営業利益も1.14億ドルから7.67百万ドルへ大幅改善。
コスト管理と効率化
売上総利益率は第3四半期で36.5%から36.0%にわずかに改善。製造および調達の生産性向上と価格設定の改善により利益率が拡大。販売管理費は前年同期比でわずかに増加するも、効率化により売上高に対する割合は低下。
投資戦略
AI技術の採用や熱管理ポートフォリオの拡大に投資しており、これにより製造能力の増強や新しい製造施設の開設が進められている。特にインドのプネーやサウスカロライナ州ペルザーに新たな製造施設を開設し、モジュラーソリューションやインフラシステムの生産を強化している。
財務状況と資金調達
2024年9月30日時点で現金および現金同等物は9億870万ドルに増加。前年同期の7億804万ドルから堅調な資金状況を維持。ABLリボルビングクレジットファシリティの利用可能額は5億8420万ドル。株式の自社買い戻しも継続中で、2024年9月末時点で24億ドル分の買い戻し枠が残っている。
法的リスクとコンプライアンス
証券クラスアクション訴訟および派生訴訟に直面し、結果は不透明である。メキシコの税務当局との税務監査も進行中だが、現時点で追加の損失は見込まれていない。
今後の見通し
AIの採用拡大に伴うデータセンター市場の成長や熱管理ポートフォリオの拡充に注力。製造能力の拡大や新施設の設立を通じてグローバルな需要に対応。2024年通年の資本支出は1億7500万ドルから2億ドルを見込み、成長とイノベーションを支える投資を継続する方針。