エヌビディア(NVDA)は2025年2Qの決算を読み解く。
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売上高と利益の大幅な増加
エヌビディアの売上高は前年同期の135億ドルから300億ドルに、2倍以上の急成長を記録。6か月間の売上高も前年の206億ドルから560億ドルに拡大した。営業利益は68億ドルから186億ドルに増加し、利益率の高さが目立つ。純利益も前年同期の62億ドルから166億ドルへ、6か月間では82億ドルから314億ドルに成長し、いずれも2倍以上の伸びを示した。
コスト管理の改善
売上原価は増加したものの、売上の急成長に比べるとその伸びは抑えられており、粗利益率が向上した。また、研究開発費や販売費・一般管理費といった営業費用も前年同期比で増加しているが、売上や粗利益の増加ペースには及ばず、コスト管理が効率的に行われていることがわかる。エヌビディアは引き続き研究開発への積極的な投資を行いながらも、全体的な費用は適切に抑制している。
キャッシュポジションと資産の成長
現金および現金等価物、マーケット証券といった流動資産は前年よりも大幅に増加。特にマーケット証券は18,704百万ドルから26,237百万ドルへと急増しており、エヌビディアのキャッシュポジションの強さを示す。資産全体も2024年1月末の65,728百万ドルから7月末には85,227百万ドルに拡大した。
市場関係者によると、エヌビディアはAI向けのGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)市場で圧倒的なシェアを持ち、特に生成AI(ジェネレーティブAI)や機械学習の需要が急速に拡大しており、それに伴ってデータセンター向けのGPU売上が急増している。このAIブームは、データセンターの構築やアップグレードにおいて不可欠なハードウェアとしてのエヌビディア製品の需要を押し上げているとのことである。また、生成AIの普及により企業のITインフラ全体でAI対応の設備投資が増加しており、これがエヌビディアの売上と利益の成長に直接的に貢献していると分析している。